今回は、「胸が痛いとき、病院に行く前に確認したい7つのポイント」について説明します。
「胸が痛い」と思ったら、
自分の痛みがどれに当てはまるのか、
以下のポイントに分けて整理してみてください。
■目次
1.いつから痛いのか?初めての痛みか?
まず気にしたい点が、「いつから痛いのか」です。
同じ痛みでも、
- 今、急に痛くなったのか
 - 何日か前から痛みがあったのか
 - 何年も前から時々痛かったのか
 
では、意味合いが違います。
また、
- 今回が初めての症状か?
 - 今までにも同じ症状が何度かあったのか?(症状が繰り返しているかどうか)
 
というのも大切な情報の一つです。
同じ症状が昔からあった場合には、
どのような頻度で症状が起こるのか
というのも気をつけてみるポイントです。
よくあるのは
- 1日のうちに数回~数えきれないほど起こる
 - 1週間に1~数回
 - 1か月に1~数回
 - 半年に1~数回
 - 1年間に1~数回
 - 今までの人生の中で1~数回程度
 
というのが、よく見られる頻度です。
2.何かきっかけがあったか
痛みが出たとき、「何かきっかけがあったのか」も重要なポイントの一つです。
問診でよく見かけるきっかけとしては、
- ぶつけた、殴られた、などの外傷
 - 大きく息を吸った
 - 激しい運動をした
 - 激しく怒った
 - 重たいものを持ちあげた
 - 食べ過ぎた
 
などがあります。
逆に、全くそういったきっかけがない痛みもたくさんあります。
3.どこが痛いか
まず考えていただきたいのは、
痛い場所を指で指し示すことができるのか?
(痛みの範囲は広いのか、狭いのか?)
という点です。
「ココが痛い」と、指先程度のきわめて狭い1点を指す方もいますし、
「このあたりが痛いけど、どことはいえない」という方もいます。
さらに、
- 痛みが出るのは身体の右か左か、それとも両方か、
 - 背中側が痛いのか、それとも腹側(身体の前面)が痛いのか、
 - みぞおちやわき腹あたり?
 - 首に近いあたり?
 - 脇の下?
 
などなど、人によっていろいろな表現があります。
また、あなたの痛み、毎回同じ場所が痛みますか?
問診を取ると、ときどき「痛みの場所は毎回変わる」という方もおられます。
「どこが痛いのか?」は、当たり前のようでいて非常に重要な情報 の一つです。
4.どんな感じの痛みか
痛みの表現も、個人差がとても大きな部分です。
- ちくちく
 - ズキズキ
 - ガンガン
 - ドンドン
 - ピリピリ
 - もわーっと
 - ギューッと、もしくはキューっと
 - キリでつくような、針で刺すような痛み
 - 締め付けられるような
 - 裂けるような
 - 重たい感じ
 - 鈍い痛み
 - 鋭い痛み
 
など、痛みを表す表現のしかたはたくさんあります。
ピッタリするものがない場合も、
「あえて言うなら、どの感じに近いか?」 
と考えていただければいいと思います。
5.どのくらいの時間、痛みが続くか
痛みの持続時間なんて、あまり考えたことがないかもしれません。
- 一瞬で治まる
 - 数秒続く
 - 数分くらい続く
 - 数時間くらい
 - 1日以上痛みが続いている
 
いずれも、大きな意味があります。
さらに考えていただきたい点は、
痛みがずっと同じ強さで続いているか?
という点です。
- 痛みはずっと同じ強さで続いている
 - 痛みが続いているが、症状には波がある
 - 一度すっかり良くなったが、また痛くなってきた
 - すぐに痛みは治まるが、特定の動作をすると痛みがぶりかえす
 
など、自分の痛みがどんな感じで続いているか、説明できるようにしておいていただけると診断の助けになります。
6.どのような時に痛むか
- 息を吸うと(もしくは吐くと)痛い
 - 咳をすると痛い
 - 食事をすると(もしくはおなかがすくと)痛みが出る
 - 階段を昇ったり、重たいものを持ったりなど激しい運動をすると痛い
 - 「手を伸ばすと」「身体をひねると」など、身体を動かすと痛みが出る
 - 身体のどこかを押すと痛みがでる
 - 何もしなくても常に痛い
 - 仕事をしたり、動いていると気が付かないが、黙っていると痛みが気になる
 - 朝方、痛みとともに目が覚める
 - 嫌いな上司(家族、友人、恋人、夫など)と一緒にいると痛みが出る
 
など、あなたの痛みには、何かタイミングのようなものはありますか?
7.胸の痛みのほかに、同時に起こる症状はあるか
- 呼吸が苦しい
 - 熱が出た
 - 冷汗がでる
 - 吐き気、嘔吐
 - 下痢
 
など、胸の痛みと一緒に出てきた症状はありますか?
どうして「自分の痛み」についてまとめておくことが大事なのか?
[st-kaiwa3]「うわー、痛い!」[/st-kaiwa3]
なんていつも思っていても、
自分にとっては比較的おなじみの、繰り返すタイプの痛みであっても、
いざ改めて「どんな感じの痛みですか?」と聞かれたら、
自分の痛みがどんな痛みなのか、
とっさに表現するのは難しいものです。
しかしながら、「胸の痛み」を診断するときには
「どんな痛みか?」というのが非常に重要なヒントとなります。
例えば狭心症など、
問診で7割程度は見当がついてしまうような病気もあるからです。
ところが、残念ながら、現時点では「胸の痛み」に限らず
「痛み」を客観的に測る装置などがなく、
患者さんの訴え以外に「痛み」を知る方法がありません。
病院では、問診でお伺いした「痛みの性質」から、
「どんな病気の可能性が高いか」を考えて検査・治療を行います。
つまり、きちんと自分の痛みについて説明することができれば、
不要な検査を受けなくても済む可能性が高く、
医療費や時間の節約にもつながるのです。
まとめ
病院では、問診でお伺いしたこれらの点を組み合わせて、
「どんな病気の可能性が高いか」を考えて検査・治療を行います。
ですので、「胸の痛み」が起こった時、
- いつから痛いのか?初めての痛みか?
 - 何かきっかけがあったか
 - どこが痛いか
 - どんな感じの痛みか
 - どのくらいの時間、痛みが続くか
 - どのような時に痛むか
 - 胸の痛みのほかに、同時に起こる症状はあるか
 
の7つの点についてまとめておくと、
病院に行ったときに大変便利です。
この項目は、「胸の痛み」以外の症状のときにも使えますので、
覚えておいて損はないと思いますよ。
  
  
  
  

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