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死亡リスクが増える1日の飲酒量はどのくらいか

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コロナ禍も終息に近づき、家庭や職場、趣味の仲間となど、食事会や飲み会が増えてきたという方も多いのではないでしょうか。

飲酒は体に悪いことはわかっているけど、楽しくて止めれないのよね…

楽しくお酒を飲みたいそんなあなたに向けて、どのくらいの量のアルコールを飲むと死亡リスクが増えるのかについて系統的レビューを行った論文を紹介します。

Association Between Daily Alcohol Intake and Risk of All-Cause Mortality
A Systematic Review and Meta-analyses
Jinhui Zhao, PhD,  Tim Stockwell, PhD,  Tim Naimi, MD,  Sam Churchill, MSc, James Clay, MSc,  and Adam Sherk, PhD
2023 Mar; 6(3): e236185.
Published online 2023 Mar 31. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2023.6185

■目次

論文内容の要約

重要性 : アルコール摂取と全死亡との関連について以前に行われたメタ分析では、生涯非飲酒者と比較して、低レベルの摂取では死亡リスクの統計的有意な低下は認められなかった。しかし、このリスク推定値は、当時利用可能であった研究の数と質、特に女性や若いコホートに関する研究によって影響を受けた可能性がある。

目的:アルコール使用と全死亡の関連を調査し、バイアス源によって結果がどのように変わるかを調べること。

データの出典: 1980年1月から2021年7月までに発表された研究を特定するために、PubMedとWeb of Scienceの系統的な検索を実施した。

研究の選択 : 禁酒者と飲酒者の区別に影響を与えるバイアスに対するある程度のコントロールの有無による研究の比較を容易にするため、システマティックレビューによりコホート研究を特定した。レビューでは、1980年から2021年7月までに発表されたアルコール使用と全死因死亡率に関する107件の研究を特定した。

DATA EXTRACTION AND SYNTHESIS :相対リスクのモデル化に混合線形回帰モデルを用い、まず全研究をプールし、次にコホート中央値年齢(<56歳 vs ≧56歳)および性別(男性 vs 女性)で層別した。データの解析期間は2021年9月~2022年8月とした。
主要アウトカムと測定値.1日平均アルコール摂取量と全死因死亡率の関連についての相対リスク推定値。

RESULTS : 解析対象となった107件のコホート研究(参加者4 838 825人、死亡者425 564人あり)から、アルコール摂取による全死因死亡のリスク推定値は724件あった。サンプリングのばらつき、元飲酒者バイアス、その他事前に指定した研究レベルの品質基準による潜在的な交絡効果を調整したモデルにおいて、対象となった全107研究のメタ分析では、時折(>0~<1. 3g/日;相対リスク[RR]、0.96;95%CI、0.86-1.06;P = .41)または低容量飲酒者(1.3-24.0g/日;RR、0.93;P = .07)には、生涯非飲酒者と比較して、全死亡リスクの有意な低下は認められなかった。完全調整モデルでは、1日あたり25~44gの飲酒者では全死亡リスクが有意でなく増加し(RR, 1.05; P = .28)、1日あたり45~64gと65g以上の飲酒者ではリスクが有意に増加した(RR, 1.19 and 1.35; P < .001)。女性の生涯非飲酒者と比較して、女性の飲酒者では死亡リスクが有意に大きかった(RR, 1.22; P = .03)。
結論と意義:この最新のシステマティックレビューとメタアナリシスでは、毎日の低または中程度のアルコール摂取量は、全死亡リスクと有意な関連はなかったが、リスクの増加は、男性よりも女性の方が低いレベルから、消費レベルが高くなると明らかになった。

 

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