PR

循環器内科医による労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)合格体験記④試験準備総論

労働衛生コンサルタント
記事内に広告が含まれています。

労働衛生コンサルタント試験の合格には、綿密な学習計画と効率的な学習方法が必須です。試験準備を進める上で、標準的なステップを示します。これらのステップを参考にして自分に合った学習計画を立てて頂き、合格を確実に掴み取ってください。

■目次

 学習計画の立て方とタイムスケジュール

労働衛生コンサルタント試験の合格を目指すにあたり、効果的な学習計画の立て方は非常に重要です。試験範囲が広く、多岐にわたるため、計画的に準備を進めることが成功の鍵となります。この辺りは医学部入試や医師国家試験、専門医試験など数々の難関試験を通過している医師の皆さまにとっては釈迦に説法となりますが、以下に、学習計画を立てる際の標準的なステップとポイントを紹介しておきます。

 1. 試験概要の確認

まずは、労働衛生コンサルタント試験の概要を公式サイトで確認します。試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会が、厚生労働省からの委託を受けて実施しています。試験日、試験科目、合格基準、科目免除の有無など、基本情報を把握しましょう。

 2. 学習期間の設定

試験日から逆算して、学習に割り当てる期間を設定します。一般的には試験の約6ヶ月前、つまり筆記試験を受ける場合は受験する年の4月頃から準備を開始することが推奨されます。個人のスケジュールや学習の進捗に応じて調整してください。

 3. 学習資料の収集

労働衛生コンサルタント試験に向けて、必要な教材や参考書を収集します。詳しくは後段の「学習リソースとツール」で説明します。

 4. 学習スケジュールの作成

全範囲を網羅するための学習スケジュールを作成します。医師国家試験ほどではないものの、労働衛生コンサルタント試験も範囲がそれなりに広いです。口述試験はもちろんのこと、法令の筆記試験を受ける場合は漏れている分野がないかをきちんと確認することが重要です。各分野に割り当てる学習時間のバランスを考え、実際のスケジュールに落とし込みます。効率的な学習のためには、定期的な復習の時間もスケジュールに組み込むことが大切です。

5. 実践的な学習の実施

筆記試験の準備に加えて、口述試験に向けた実践的な学習も行います。試験で求められる実務能力を高めるため、ケーススタディや受験仲間との模擬面接nadoを活用するのが効果的です。

 6. 定期的な進捗の確認と調整

学習計画に沿って学習を進める中で、定期的に進捗状況を確認し、計画の見直しや調整を行います。自分自身の理解度や弱点を把握し、必要に応じて学習方法やスケジュールを変更する柔軟性が重要です。

 7. メンタルヘルスの管理

ご承知のとおり、試験準備は精神的にも負担が大きいものです。ストレス管理やリラクゼーションの時間も計画時間に含めましょう。適切な休息や趣味の時間を確保することで、学習効率を保つことができます。

筆記試験・口述試験の攻略法

労働衛生コンサルタント試験の対策は、筆記試験と口述試験で大きく異なります。筆記試験、口述試験の両方に共通して大切なのは、リラックスして試験に臨むためのメンタル管理です。この辺りについては先生方に改めてご説明する必要はないかと思いますが、一応別記事で簡単にご説明しておきます。

 

労コン筆記試験の攻略法

筆記試験では、労働衛生に関わる法律、職業病、作業環境測定などの核心となるトピックを中心に学習します。法律については労働安全衛生法をはじめとし、細かい規則も多いので、混同しないように知識を確実にするのがポイントです。過去問題を解くことで、試験の形式に慣れることも重要です。

労コン口述試験の攻略法

口述試験に関しては、実務経験や専門知識を明確に伝える能力が求められ、実際の職場での健康問題への対処方法を具体的に説明することが必要になります。職業衛生に関するテーマについて他の受験者とディスカッションを行い、自己の考えを整理し表現力を高める練習が効果的です。

 

学習リソースとツール

労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)の受験に向けた学習リソースやツールについて、いくつかご紹介しておきます。特に1、2、3は必須と考えますので、早めに入手しておきましょう。

1. 労働安全衛生コンサルタント会が発行する書籍

一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会では、「試験合格への手引き」と2年分の過去問と解説が含まれた「過去問題集」を販売しています。受験の第一歩として、まずこれらを確認しておきましょう。特に過去問題集には、労働安全衛生コンサルタント会の公式見解が含まれており、おすすめです。

2. 「労働衛生のしおり」などの書籍

産業医なら毎年購入している方も多いと思いますが、中央労働災害防止協会が毎年秋ごとに発刊している「労働衛生のしおり」は労働衛生コンサルタント試験においてもバイブルです。実は法令についてもしっかり掲載されているので、まずはこれ1冊をしっかり読み込みましょう。

産業医未経験でさっぱりわからない、という方には衛生管理者試験のテキストを薦めます。労働衛生についてのアウトラインが掴めるし、一部は労働衛生コンサルタント試験の筆記試験対策ともなります。

3. 受験準備講習会

一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会が実施する「労働衛生コンサルタント保健衛生口述試験受験準備講習会」は、受講必須です。口述試験で出題されそうなトピックはほぼ全て網羅されており、これさえ受けておけば最低限の対策が済んでしまいます。おそらく口述試験を受ける医師のほとんどが受講していると思われます。同じ団体が実施する「労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)口述試験受験のための労働衛生関係法令講習会」については、筆記試験全免除の方は、法令の確認のために受けておくのも良いでしょう。労働衛生関係法令の筆記試験を受けられた方は、特に必要ないかもしれません。

4. 受験仲間が集うフォーラムやネットワーク

TwitterやDiscordなどで、労働衛生コンサルタント試験を受験する医師向けのネットワークを見かけます。私自身は参加しませんでしたが、口述試験の面接練習などを行ったり、試験を既に受けた人々からの貴重な洞察やアドバイスを得ることができるようです。興味のある方は参加してみるのも良いのではないでしょうか。

5. モバイルアプリと学習ツール

試験準備を支援するために設計されたモバイルアプリやオンラインツールが様々にあります。これには、Ankiなどの暗記ツールやフラッシュカード、クイズアプリ、学習スケジュールを整理するための時間管理ツールなどがあります。

私は行政書士などの資格試験を受験したこともあり、Ankiを愛用しております。特に口述試験時、お風呂でAnkiアプリに入れた質問を見ながら回答を声に出す練習をくりかえしました。

そのうち私の使っていたAnki用の試験対策問答集を公開する予定ですのでお楽しみに。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました