生理周期と関係があるのに、身体よりもココロの方に大きな影響を与える月経前不快気分障害(PMDD) 。
今回は、そのPMDDの診断基準についてまとめてみました。
■目次
私ってPMDD?診断基準を知る
PMSには非常にたくさんの症状が含まれるため、診断基準にもややあいまいな点があるのですが、PMDDには明確で具体的な診断基準があります。
診断基準については、長くなるのでコチラにまとめました↓↓
PMDDは精神的な症状がメインとなるので、PMDDの診断基準は米国精神科学会が出しています。(精神疾患の診断・統計マニュアル第4版[DSM-IV])
日本語訳は以下の通りです。
A.過去1年の間の月経周期のほとんどにおいて、以下の症状の5つ(またはそれ以上)が黄体期の最後の週の大半の時間に存在し、卵胞期の開始後2、3日以内に消失し始め、月経後1週間は存在しなかった。(1)、(2)、(3)、または(4)のいずれかの症状が少なくとも1つ存在する。
(1)著しい抑うつ気分、絶望感、自己卑下の観念
(2) 著しい不安、緊張、“緊張が高まっている”とか、“いらだっている”という感情
(3) 著しい情緒不安定(例:突然、悲しくなるまたは涙もろくなるという感じ、または拒絶に対する敏感さの増大)
(4) 持続的で著しい怒り、易恕性、または対人関係の摩擦の増加
(5) 日常の活動に対する興味の減退(例:仕事、学校、友人、趣味)
(6)集中困難の自覚
(7)倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如
(8) 食欲の著明な変化、過食、または特定の食べ物への渇望
(9)過眠または不眠
(10)圧倒される、または制御不能という自覚
(11) 他の身体症状、例えば、乳房の圧痛または腫張、頭痛、関節痛または筋肉痛、“膨らんでいる”感覚、体重増加注:月経のある女性では、黄体期は排卵と月経開始の間の時期に対応し、卵胞期は月経とともに始まる。月経のない女性(例:子宮摘出を受けた女性)では、黄体期と卵胞期の時期決定には、循環血中性ホルモンの測定が必要であろう。
B.この障害は、仕事または学校、または通常の社会的活動や他者との対人関係を著しく妨げる(例:社会的活動の回避、仕事または学校での生産性および効率の低下)。
C.この障害は、大うつ病性障害、パニック障害、気分変調性障害、または人格障害のような、他の障害の症状の単なる悪化ではない(ただし、これらの障害のどれに重なってもよい)。
D.基準A、B、およびCは、症状のある性周期の少なくとも連続2回について、前方視的に行われる毎日の評定により確認される(診断は、この確認に先立ち、暫定的に下されてもよい)若年女性における月経前症候群(PMS)の実態に関する研究
大阪樟蔭女子大学研究紀要第1号(2011)より引用
難しい単語が並んでいますね…
PMS/PMDDの質問票=PSSTとは?
このDSM-IVを簡単に、そしてわかりやすくしたものがPSSTと呼ばれるPMS/PMDDの質問票です。
月経のはじまる1週間前から月経中にかけて、以下のような症状がありますか?
0:なし
1:あっても気にならない
2:何とか我慢できる
3:日常生活に支障がでる
- うつっぽい/落ち込みやすい
- 何となく不安/緊張感がある
- 涙もろくなる/情緒不安定である
- イライラする/怒りっぽい
- 勉強や仕事が手につかない、家事ができない、日常生活にやる気が出ない
- 集中力がない
- だるい
- 食欲がありすぎる/甘いものが食べたい
- 眠れない/とにかく眠い
- 自分の感情をコントロールできない
- 身体の症状がある(乳房痛、腹痛、筋肉痛・関節痛、おなかのはり、むくみ・体重増加)
これらの症状が日常生活に影響を与えているか?
A:勉強や仕事の効率
B:学校や職場での人間関係
C:家族や恋人との関係
D:趣味や余暇などの活動
E:家事全般
☆PMDDの診断☆
- ❶~⓫のうち5項目以上が2、もしくは3である
(少なくとも❶~❹のうち1項目が3である) - A~Eの1項目以上が3である
The premenstrual symptoms screening tool (PSST) for clinicians. : Arch Womens Ment Health. 2003 Aug;6(3):203-9.
doi: 10.1007/s00737-003-0018-4. / PMID 12920618より引用・改変
このうち、あなたに当てはまるのは何項目あったでしょうか?
まとめ
PMDDの診断基準についてまとめました。
治療法について知りたい方は、コチラ>>
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