月経前に調子が悪くなるPMSとPMDD。
同じように見えて結構違う、ということはわかりました。
参考;

ということは、PMSとPMDDは、治療法も違うのかな?

そうなんです!
PMSとPMDDでは、同じ治療もあるけど違う治療もあるんです。
今回は、病院で行われるPMDDの治療についてまとめてみました。
☆PMSの治療についてはコチラ>>
■目次
PMDDの治療法について知る
PMDDの治療法は、主に薬を使う治療と使わない治療に分けられます。
薬を使わないPMDDの治療
まずはカウンセリング、生活指導などを行います。
このあたりはPMSと同じですね。
生活指導では、
- 症状日記を書く(どういう時期、どういう場合にどのくらい重たい症状が出るのかを理解する)
- 規則正しい生活の徹底(睡眠、食事、運動、カフェインやタバコの制限など)
などを行います。
症状がひどい場合には、一時的に仕事や家事の制限を行うこともあります。
薬を使うPMDDの治療
PMDDは精神症状がメインです。
そのため、婦人科ではなく、精神症状に対するおくすりを使い慣れている精神科で治療されるケースも多いようです。
注)日本では、そもそもPMDD自体が保険病名として認められておりません。
それぞれの薬は、処方する医師が認めた症状に対する病名によって処方されています。
PMDDの際に使用する薬には、以下のようなものがあります。
うつ症状がひどい場合
抗うつ剤が用いられます。
PMS/PMDDのうつ症状はセロトニンが不足することによって起こるといわれており、主に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼ばれるタイプの抗うつ剤が使用されます。
商品名としては、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロなどがそれにあたります。
不安症状、情緒不安定
不安が強く情緒が安定しない場合には、抗不安剤(精神安定剤)が用いられます。
婦人科領域でよく用いられる抗不安剤は、コンスタン、ソラナックス、デパス、リーゼなどがあります。
PMDDとピル
ほとんどのピルは、PMSの身体症状に効くとされていますが、精神症状には効かないと報告されています。
例外が、日本では月経困難症の治療薬として発売されているヤーズ配合錠(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠)です。
アメリカではPMDDの治療薬としてFDAに認可されています。
この薬は、プラセボ(偽薬)と比べ、身体症状のほかに精神症状の改善に効果があったとする論文があります。
PMDDと漢方
PMS/PMDDの治療の際に、漢方薬を用いることがよくあります。
- 当帰芍薬散
- 加味逍遙散
- 桂枝茯苓丸料
- 桃核承気湯
- 女神散
- 抑肝散加陳皮半夏
などがPMSの際に良く用いられる漢方薬です。
このうち精神症状には加味逍遙散、抑肝散加陳皮半夏が効果的といわれています。
まとめ
身体の症状が強く出るPMSと異なり、PMDDはココロの症状がメインです。
病院での治療も、当然ココロの調子を整えるための治療がメインで行われます。
PMSと同様に、カウンセリングや生活指導を通じて、月経周期が順調にめぐるように身体を整えることも大切です。
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