日ハムファンとしては、とても残念なお知らせが届きました。
2019年6月18日の試合中に、左ひざに打球の直撃を受けた日本ハムファイターズの上沢投手ですが、「左膝蓋骨骨折」と診断されたことが球団から正式に発表されました。
上沢直之投手が6月18日(火)、東京都内の病院で検査を受け、左膝蓋骨骨折と診断されましたので、お知らせいたします。
上沢投手は6月18日(火)の横浜DeNAベイスターズ1回戦(横浜スタジアム)の6回に打球を受け、途中交代していました。
今後の見通しにつきましては、改めてお知らせいたします。— 北海道日本ハムファイターズ公式 (@FightersPR) 2019年6月19日
昨日の試合はテレビで見ておりましたが、たしかにかなり痛そうでした。
膝は投手として非常に重要な場所なので、じっくり治していただきたいな、と思います。
ところで、「膝蓋骨(しつがいこつ)」とは聞き慣れない名前ですが、どこの場所を挿すのでしょうか?
また、「膝蓋骨骨折」とはどんな病気なのでしょうか?
■目次
膝蓋骨(しつがいこつ)とは
膝蓋骨(しつがいこつ)というとスゴク難しく聞こえますが、ざっくりいうと
ひざのお皿の骨
のことです。
膝蓋骨は、膝の動きを滑らかにする役目を持ち、すなわち膝の曲げ伸ばし運動を効率良く行うために、動きの中心として支えています。
膝蓋骨があるとどうしてひざの動きが滑らかになるかというと、膝蓋骨に太もも・ふくらはぎ両方から腱(けん)がついており、太ももとふくらはぎの間のつなぎ役を果たしているからです。
太ももの筋肉(大腿四頭筋;だいたいしとうきん)についている腱(けん)が膝蓋骨についており、膝蓋骨からはふくらはぎの骨(脛骨;けいこつ)に向かって腱(膝蓋腱)がついています。
これらの腱があることにより、例えば立とうとして太ももに力をいれると、その力が効率よくふくらはぎに伝わってひざがうまく曲がるのです。
膝蓋骨がないとどうなるの?
膝蓋骨がないということは、太ももとふくらはぎの受け渡し役がいなくなるということなので、ひざをスムーズに曲げたり伸ばしたりしにくくなります。
ひざがスムーズに曲がらないと、「立つ」「歩く」「座る」などといった日常生活で何気なく行う動作が難しくなるのです。
[chat face=”profile-nico100.jpg” name=”YURALICA” align=”left” border=”red” bg=”red”]膝蓋骨は、上沢選手のようなスポーツ選手だけではなく、私たち人間が普通に立つ・歩くといった動作を行う上でとても大切な骨なのです。 [/chat]
膝蓋骨骨折とは
膝蓋骨骨折とは、文字通り「膝蓋骨の骨折」です。
膝蓋骨が折れる(割れる)ことをいいます。
[chat face=”profile-nico100.jpg” name=”YURALICA” align=”left” border=”red” bg=”red”]2つに折れる(割れる)こともありますし、もっと細かいカケラ状に割れることもあります。 [/chat]
膝蓋骨骨折の症状
膝蓋骨骨折の症状としては、
- ひざの強い痛み
- ひざ関節の腫れ
- ひざをうまく動かすことができない
がメインです。
膝蓋骨骨折の原因
膝蓋骨骨折の原因は大きく分けて2つです。
①膝蓋骨に直接外からの力がかかる場合(直達外力)
今回のケースのように、ひざに何かがぶつかった、転んでひざを強くぶつけた、などの場合にあてはまります。
膝蓋骨骨折のほとんどが、この直達外力(ちょくたつがいりょく)が原因で起こります。
②太ももの筋肉が急に縮む場合(介達外力)
何らかの原因で太ももの筋肉が異常な収縮を起こすと、腱でつながった膝蓋骨に無理な力がかかって膝蓋骨が折れることがあります。(介達外力:かいたつがいりょく)
膝蓋骨骨折を疑う場合の応急処置
膝蓋骨骨折を疑ったら、すぐにできる応急処置があります。
- 可能なら、膝がまっすぐになるように、そして動かないように添え木をする。
- ひざを氷や氷水、アイスノンなどで冷やす
そしてできるだけ早く整形外科専門医のいる病院を受診しましょう。
外傷の応急処置=RICE
膝蓋骨骨折に限らず、外傷の基本的な応急処置としてRICE(ライス)を覚えていただくと役に立ちます。
RICEとは、ケガを負った現場でできる応急処置の頭文字をとったものです。
R=患肢や患部を安静(Rest)に
I=氷で冷却(Icing)
C=弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)
E=患肢を挙上する(Elevation)
膝蓋骨骨折の診断
膝蓋骨骨折の診断は、
- けがをした時の話を聞く問診や症状から、ある程度の推察をつける
- レントゲン写真、CT検査(場合によってはMRI)といった画像診断
にょって行います。
膝蓋骨骨折の治療
膝蓋骨骨折の治療は、手術をする場合としない場合で異なります。
手術をする場合
折れたカケラが正常の位置からずれている場合は手術が必要なので、ほとんどの例で手術が行われています。
手術は、折れたカケラを医療用の針金(ワイヤー)で固定する手術が一般的です。
術後は早い時期からリハビリテーションを行い、ひざ関節が固まらないようにしたり、筋力が低下しないようにトレーニングを行います。
手術をしない場合
折れた骨のかけらの位置がほとんどずれなかった場合は、保存療法が選択されます。
ひざが曲がらないようにギブスや装具で固定し、3週間から1か月程度、骨が固まるまで待ちます。
骨がある程度くっついた段階で、ひざの曲げ伸ばしなどのリハビリテーションをはじめます。
ひざにメスを入れなくてよいというメリットはありますが、安静にしているうちに筋力がかなり落ちるというデメリットもあります。
まとめ;膝蓋骨骨折は、きちんと治療⇒リハビリを受ければ治る病気です。
ということで、今回は「膝蓋骨骨折」についてわかりやすく解説しました。
きちんと治療⇒リハビリテーションを受ければ、きちんと治る病気です。
上沢投手の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
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