健康診断でおなじみの病名の一つが「糖尿病」です。
テレビや雑誌などでもよく紹介されている病気ですし、
芸能人が「糖尿病」で足を切る羽目になった、または透析する羽目になった
というニュースを時々目にすることがありますよね。
ただ、「糖尿病」が実際にどんな病気か、どうして血糖が高いといけないのか、について詳しくご存知の方は意外と少ないです。
外来で患者さんとお話していても、
「糖尿病」というと、何だかよくわからないけどなんだかとても恐ろしい病気だ、という漠然としたイメージをお持ちの方が多いです。
また、「糖尿病」といわれると、
美味しいものも食べられなくなる?
一生病院に通わなくっちゃいけない?
いやだなあ…、と思っている方が非常に多いです。
さらに、外来で患者さんによく聞かれるのは、
何にも症状ないし、困ってないのに治療しなくちゃいけないの?
という点です。
結論から言うと、
症状が出る前だからこそ、治療する必要があるのです。
どうして症状がないのに治療が必要なのか、
まずは「糖尿病」について詳しく知っていただくところから話をはじめたいと思います。
■目次
「糖尿病」の定義
まず、「糖尿病」とはどんな病気なのでしょうか?
非常にザックリいうと、
血液の中の糖分(=血糖;けっとう)が多すぎる病気です。
では、血液の中の糖分が多いと、何がいけないのでしょうか…?
医学的には以下のように定義されています。
インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝症候群
もう、何が何だかさっぱりわかりませんね。
血糖が高いとどうしていけないの?
どうして、血液中の糖分の値(血糖値)が高いといけないのでしょうか?
血糖値が高くなると、血管を傷つけてしまうからです。
では、血管が傷つくとどうなるのでしょうか?
1.大きな血管が傷つくと…(大血管障害;だいけっかんしょうがい)
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
- 末梢動脈疾患(下肢閉塞性動脈硬化症、腎動脈狭窄症など)
特に1,2は発症すると命を落とす危険性があります。
2.小さな、細い血管が傷つくと…(細小血管障害;さいしょうけっかんしょうがい)
- 糖尿病性網膜症…進行すると、目が見えなくなります。
- 糖尿病性腎症…進行すると、尿が出なくなり、人工透析が必要になります。
- 糖尿病性神経障害…進行すると、(特に足の)感覚が鈍くなり、最終的に足を切る原因となり得ます。
この3つを合わせて「糖尿病の3大合併症」と呼んでいます。
糖尿病治療の目的とは?
ということから、糖尿病を治療する目的は、単に血糖値を下げることではなく
命に関わる合併症を予防する
ことにある、ということがわかります。
そう考えると、何か症状が出てくる前にこそ、治療が必要である、ということがよくわかりますよね。
命に関わる病気の場合、症状が出てからでは遅いのです。
まとめ
糖尿病は、血液中の糖分の値が高い病気です。
血糖値が高いこと自体が悪いのではなく、それによって命に関わる合併症が起こるのが危険なののです。
自覚症状が出ていなくても、症状がないからこそ、糖尿病にはきちんとした治療が必要です。
今回は大切なことが多すぎて力が入ってしまい、ついつい字が太くなったり色がついたりしてしまいました。
以上、「【糖尿病】糖尿病って、どんな病気なのですか?」でした。
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