熱中症というと、その場限りの病気、というイメージがあるかもしれません。
[chat face=”profile-nico100.jpg” name=”YURALICA” align=”left” border=”red” bg=”red”]それは、誤りです。 [/chat]
まれではありますが、熱中症でも重い後遺障害が残ることがあるんです。
ここ数年、部活中に熱中症で倒れて後遺症を負ったケースが報道されるなど、少しずつ注目されています。
今回は、熱中症の後遺症について
- 後遺症としてどんな症状が残りやすいか
- どんな熱中症が後遺症を残しやすいか
などを中心に、詳しく解説します。
▼熱中症全般について知りたい方は、まずコチラをどうぞ。

■目次
熱中症の後遺症でみられる症状は、頭の症状である。
熱中症の後遺障害で最もよく見られる症状は、中枢神経障害(ちゅうすうしんけいしょうがい;脳や脊髄(せきずい)の障害)です。
熱中症による中枢神経障害として報告例が多いのは、
- 小脳失調
- パーキンソン症候群
などの症状です。
ちょっとむつかしい話になりますが、それぞれの症状について解説します。
小脳失調とは?どんな症状がでるの?
小脳(しょうのう)は、身体のバランスを取って歩行を安定させたり、記憶や学習、言葉を制御する働きをする部分です。
小脳失調(しょうのうしっちょう)の症状としては
- めまいがする
- 眼振(がんしん;細かい目のふるえ)がおこる
- 歩行が不安定になる(酔っぱらったときのような歩き方になったり、まっすぐ立てなくなる)
- 置いてあるものをうまく取ることができない(物と自分の距離を測れなくなること、そして手を伸ばして物を取る、などという連携した動作ができなくなる)
- 言葉がうまく出なくなる、もつれる
などがあります。
パーキンソン症候群とは?どんな症状がでるの?
パーキンソン症候群は、
- 安静時振戦(しんせん);だまっていても(腕、足、アゴなどが)ふるえる。
- 無動・寡動(かどう);動作が極めてゆっくりになる、表情が動かなくなる(仮面用様顔貌)、言葉が出にくくなる。
- 筋固縮;力を抜いているはずなのに、他人が動かそうとしても動かなくなる。
- 姿勢反射障害;バランスを崩したときに立て直そうとする反射が利かなくなる。この結果、歩くときに必要以上に前かがみになったり、歩幅が狭くなったり、突進して止まれなくなったりする。
の4大症状のうち、2つ以上が認められる状態のことをいいます。
これらの4大症状のほか
- 自律神経障害;便秘、吐き気、起立性低血圧、尿が出にくくなる(排尿障害)など
- 精神症状;感情が鈍くなる(感情鈍麻)、不安、うつ、認知症など
の症状が出ることもあります。
どんな熱中症が後遺障害を残しやすいのか?
後遺障害として1年以上残ってしまうような中枢神経障害は、どんな熱中症の時に起こりやすいのでしょうか?
これはずばり、重症の熱中症のあとに起こりやすいことがわかっています。
▼熱中症の重症度については、コチラに詳しくまとめています。
中等度の熱中症(熱疲労)のあとにも記憶障害(最近のことが覚えられないなど)や姿勢が不安定となる、などの症状がみられることがありますが、これらは半年程度で良くなることがほとんどです。
熱中症で後遺障害が残りやすい条件を知る
後遺障害を残しやすい熱中症の条件として、病院に運ばれた時点で
- 深部体温(直腸温)が高い(40℃以上)
- 意識がない、血圧が低いなど、ショック状態に近い
ということ(=重度の熱中症)が挙げられます。
そのほか、「冷却終了まで長時間要している(長い時間熱が下がらなかった)」ケースが、後遺障害を発症する危険性が高いことがわかっています。
ということで、熱中症の後遺障害を残さないようにするためにも、誰でもできる応急処置を覚えておくことが大切です。
▼どこでも誰でもできる熱中症の応急処置についてはコチラ
まとめ;重度の熱中症のあとには後遺障害が残ることがある
重症の熱中症のあとには、命が助かっても、後遺障害として中枢神経障害(小脳失調、パーキンソン症候群など)が残ることがあります。
後遺障害を起こさないためには
- 熱中症の重症度をキチンと見分けること
- どんな熱中症でも、身体を冷やすなどの応急処置をしっかり行うこと
が大切です!
[chat face=”profile-nico100.jpg” name=”YURALICA” align=”left” border=”red” bg=”red”] たかが熱中症…と軽くみることなく、意識がない、呼びかけに答えないなどがあったら、すぐ病院へ連れていきましょう![/chat]
▼どこでも誰でもできる熱中症の応急処置についてはコチラ
▼そのほか、熱中症についてまとめました。

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