「歩くと足が痛くなって…」という方、結構多いと思います。
それ自体はよくある話ですし、私もマラソン大会に出ている関係上、走ると股関節が痛くなることがあります。
では、「歩くと足が痛い」とき、病院に行くなら、どこの診療科に行くでしょうか?
たいていの方は、まず整形外科に行くでしょう、きっと。
ですが、ここで一つ。
動脈硬化が原因で足が痛くなる病気もあるのです。
あなたの足の症状、
- 歩きはじめは何ともないのに、少し歩くと痛みが出る。
- 痛い場所はふくらはぎの裏あたり
- 5~10分くらい休憩すると治る
上の1~4のいずれかに思い当たることがあったら、もしかしたら血管がつまった(もしくは狭くなった)ことによる症状かもしれません。
■目次
血管がつまると、どうして足が痛くなるのか?
足に限らず、筋肉が生きていくため、そしてうまく働くためには血液(というか、血液が運んでくる栄養や酸素)が必要です。
何もせずに寝ているとき(安静時)にも、生きていくためには最低限の血液が必要ですが、筋肉を動かすためには、もっと多くの血液が必要となります。
血液は、動脈という血管の中を流れていき、筋肉をはじめとした各臓器に運ばれていきます。
(イメージとしては、水道管や下水管、ホースを想像していただくとわかりやすいと思います。)
水道管が途中でつまると、下流の家や会社に水が届かなくなります。
ヘドロなどがホースの中にこびりついたりすると、先端から出てくる水の勢いが弱くなります。
同じような感じで、途中で血管がつまっていると、心臓から送り出された血液が筋肉に届かなくなります。
この「血液が足りない」という筋肉からのサインが、痛みとして出てくるのです。
休むと足の痛みが治るのはどうして?
先ほども述べましたが、休んでいるとき(安静時)と動いているとき(労作時)に必要な血液の量は異なります。
当然、動いているときのほうが、必要な血液の量が多いです。
例えば安静時に必要な血液の量が3、労作時に必要な血液の量が10だとします。
足の血管の途中につまり(閉塞;へいそく)や狭いところ(狭窄;きょうさく)があり、足まで届く血液が5しかないとすると、
動かないで安静にしているときは 3の血液が必要なところに 5の血液が流れるので、症状がでない。
足を動かすと、10必要なところに5しか血液が流れないので、「血液が足りないサイン」=痛みが出るのです。
そして、痛みで足を止めると、筋肉の状態は素早く安静時に戻るので、血液の必要量は3に戻ります。
なので、5の血液が流れれば必要量を満たすということになり、痛みが取れるのです。
血管がつまって起こる主な足の病気
血管のつまりが原因で起こる足の病気には、以下のようなものがあります。
- 閉塞性血栓血管炎(バージャー病)
- 動脈血栓・塞栓症
- 閉塞性動脈硬化症
- 大動脈炎症候群
- その他 動静脈廔、レイノー病など
意外とたくさんの種類の病気があるということに驚かれたかもしれません。
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血管のつまりがあるかどうかを知るための検査
血管がつまっているかどうかを知るためには、いくつかの検査を組み合わせて行う必要があります。
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血管のつまりは何科に行けばよい?
ここまでお読みいただいて、
- 自分の血管が詰まっているかどうか知りたい
- 足の痛みに困っているので、血管が原因かどうか確かめたい
- 病院に行ってみたいが、何科に行けばよいのかわからない
という方もおられると思います。
このような場合は、総合病院の循環器内科もしくは心臓血管外科を受診することをお勧めします。
現在生活習慣病などで治療を受けられている方は、主治医の先生からの紹介状があるとベストです。
もしも紹介状がいただけない場合には、飲んでいる薬がわかるおくすり手帳があると、診察の際に非常に助かります。
病院もしくはクリニックによっては、「血管外来」というような専門外来を開いていることもあります。
最近は、人間ドックなどでも「血管ドック」「心臓ドック」のような形で血管年齢の検査などと合わせて検査をしてくれるケースも増えてきています。
行きたい病院が決まっている場合には、あらかじめ電話などで問い合わせをしておくと、スムーズに受診ができることが多いです。
気になる方は、ぜひお近くの病院へ足を運んでみてください。
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